大麦
大麦は米、小麦、トウモロコシに次いで生産量の多い穀物です。大麦にはもみがらの付いたものと、脱穀の簡単に取れてしまう裸麦とがあります。さらに穂を真上から見た時、六条もの、二条ものがあって、それぞれを六条大麦、二条大麦(ビール麦)と呼びます。この他えん麦、オート麦、カラス麦もあって、これは家畜の飼料にするほかオートミールとして食用にも用いています。大麦は比較的酸性の土壌でも成育するため、栽培地は全世界に渡っており、特にアメリカ、ヨーロッパなどが大生産国です。多くは家畜の飼料として利用される場合が多いのですが、日本では昔から食用としています。いわゆる押麦で、これは精白した後、水分を与え熱しふやけたところを熱ロールにかけて平らに押しつぶしたものです。大麦はビタミンBがあって、米と違い精白してもほとんど粒に残っているため、米と混ぜて食べることにより、昔は脚気の予防食といわれました。米は精白によりビタミンBが群がほとんど無くなるため、押麦を混ぜて不足を補ったものです。また米のでん粉は固くなかなか消化しにくいので、とろろいもをかけてついつい食べすぎてしまうような時は、消化の早い麦めしにして、食べ過ぎによる胃がもたれるのを防ぎました。いずれも栄養学や生理学の発達していない江戸時代から利用されていた生活の知恵でしょうか。精白した大麦をよく煎ってから粉にしたものは麦粉菓子とか、香煎といって菓子の材料になるし、玄麦のままよく煎ったものが夏の飲料麦茶になります。最近では煎ってからひき割、味と香りが早く出るインスタント麦茶も出回っています。大麦を水に漬けて発芽させ、それにでん粉を加えて発酵させ、溶解液を煮詰めたのが麦芽糖で、これまた古い歴史を持ちながら今日ではキャラメル、佃煮の原料として利用されています。
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