残留農薬
食品中の残留農薬の問題は、近年の輸入食品の増加に伴い消費者の不安を高めています。そうした中、我国において食品中の残留農薬等に関する新しい制度、ポジティブリスト制度が導入され注目を集めています。ポジティブリスト制度とは2003年の改正食品衛生法に基づき、食品中に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品について一定の量を超えて農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止する制度です。農作物から加工食品まですべての食品がこの制度の対象であり、2006年から施行されました。この新しい制度に対して、従来の制度はネガティブリスト制度と呼ばれ、残留してはならない農薬等をリストで示し、食品ごとに設定した残留基準値を超えると販売等を原則禁止としましたが、指定外の農薬等が検出されても、その食品の販売等を禁止する処置を行なうことはできませんでした。また、規制対象は283品目だけで、国内外で使用される農薬等の多くに残留基準が設置されておらず、食品の安全上の課題となっていました。こうした課題を解決するために、ポジティブリスト制度では原則としてすべての農薬等について残留基準を設定し、基準を超えて食品中に残留する場合、その食品の販売等の禁止を行なうこととしました。また規制対象も799品目と大幅に増加し、農薬等に対する規制が特段に厳しくなりました。この新制度への対応に追われているのが、各地の農家など生産者です。新制度では栽培する作物に使う農薬以外も規制対象になるため、周辺農地から飛散する農薬が付着して基準値を超えるなど、思わぬ違反で作物を販売できなくなる可能性があるためです。違反が公表されれば、作物の廃棄だけでは済まず、産地のイメージ悪化など風評被害が生じる恐れもあります。そうした事態を防ぐために生産履歴の徹底などの生産者の努力が求められています。
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